頭皮がかゆかったりフケが多量に落ちてきたり・・・不快ですよね。
それは頭皮にかさぶたができているのかもしれません。
頭にケガもしてないのにかさぶたなんてできるの?どうしたら治るの?
そんな疑問にこのページではお答えしていきます。
目次
なぜ頭皮にかさぶたができるの?
かさぶたにも重要な役割があります
一般にかさぶたは、ケガなどで損傷した箇所からじわじわ出てきた血液や体液が、空気に触れて固まったものです。かさぶたができるおかげでそれ以上の出血が抑えられたり、外部から雑菌が侵入して傷が悪化するのが防がれたりと、重要な役割を果たしています。
やがて下から新しくできてきた皮膚に押し出されるようになり、放置しておけば自然に剥がれ落ちます。見つけたら触ってしまって自分で剥がす方も多々いるでしょう。私もついやることがありますが、あまりしない方がいいです。再び出血したり、菌が入ったりします。
頭皮のかさぶたでついやってしまう注意点
この仕組みは頭皮でも同じです。ケガでなくても、何らかの原因で頭皮に炎症が起きたときも、かさぶたはできます。
そして、多くの人はそこにかさぶたがあると認識しないままに、頭を掻いたりブラシで引っ掛けたり頭髪剤で刺激を与えたりしてしまいます。すると、かさぶたが無理矢理剥がれたり、炎症が治らなかったりして、ずっとかさぶたができる状態が続いてしまうのです。これは避けなければなりません。
頭皮に炎症ができる理由
皮脂の過剰分泌
頭皮に毛穴が多いのは言うまでもありませんよね。毛穴からは毛が生えるだけでなく、皮脂や汗なども分泌されます。頭皮は皮脂が多く存在する場所なのです。
ストレス過多や不十分な洗髪などで頭皮が皮脂過剰になると、皮脂を好むマラセチア菌が集まってきます。マラセチア菌は全ての人の皮膚に普段から存在している常在菌ですが、皮脂が多い場所で爆発的に繁殖する性質があります。
皮脂が過剰になった毛穴でマラセチア菌が大量繁殖する際に、頭皮に炎症を起こします。これを脂漏性皮膚炎といいます。この皮膚炎がかさぶたに繋がるのです。
頭部白癬(しらくも)
白癬菌もマラセチア菌と同じくカビ菌の一種で、皮膚の常在菌です。足にできる水虫は白癬菌の仕業です。高温多湿なところが好きな白癬菌は頭皮の毛穴にも入り込みやすく、繁殖して炎症を起こします。フケが異常に多くなってきた場合は頭部白癬(しらくも)かもしれません。フケはかさぶたである可能性があります。
シャンプーが頭皮に合っていない
洗浄力が強いシャンプーは頭皮への刺激も強くなります。頭皮がダメージを受けるとともに、皮脂までも落としてしまいます。頭皮の皮脂が過剰になるとよくないのは上で述べた通りですが、少なくなりすぎるのもバリア機能が弱まって外部からの刺激に敏感になってしまいます。結果として炎症ができやすくなります。
頭の掻きすぎ
そもそも頭が痒くなるのは、その箇所に何らかの異変が起きているからです。頭皮が弱っていて炎症していたり、既にかさぶたができているかもしれません。そこを強く掻いたり頻繁に掻いたりすると、新たな傷ができたりかさぶたが取れたりして、傷に雑菌が入ることにより炎症が長引いてしまいます。また、痒いからといって掻きすぎると、かえって痒くなり周囲にも痒みが広がることが医学的にも証明されています。
頭皮のかさぶたを治すには
肌のターンオーバーを正常化する
かさぶたとターンオーバーの関係
かさぶたは下に新しい皮膚ができると剥がれ落ちてなくなります。新しい皮膚が早くできるとかさぶたも早く治ることになります。
新しい皮膚の細胞は表皮の一番下にある基底層で毎日生成され、新しい細胞に押し出されるようにして上に上がっていき、ついには表皮の一番上の角質層まで上がって肌の表面に現れ、最後に剥がれ落ちてその役目を終えます。この一連の仕組みをターンオーバーといい、基底層で生まれて角質層で剥がれ落ちるまで個人差はありますが通常は28日間かけて行われます。かさぶたも28日経てば剥がれ落ちるというわけです。
ターンオーバーが乱れると
ところが肌がダメージを受けていたり、肌環境が悪かったりすると、ターンオーバーの周期が乱れます。周期が早まれば未熟な肌が角質層に出てしまい外部刺激に弱いため少しの刺激でまた傷ついてしまい(やがてかさぶた化)、遅くなればそれだけかさぶたが取れるまで時間がかかります。
ターンオーバーを戻すには生活習慣を整える
ターンオーバーを正常化するには、保湿クリームなどで毎日ケアする方法もありますが、生活習慣を整えることも非常に大切です。暴飲暴食はやめて毎日定時にバランスの良い食事、夜更かしせずに十分な睡眠、血行がよくなるような適度な運動、ストレスフリーな生活などを心がけましょう。
これらはターンオーバーからは遠く、関係ないように思えることが多いですが、肌の状態には敏感に現れます。頭皮のかさぶただけでなく健康全般も向上するので、毎日積み重ねていくことをおすすめします。
かさぶたを触らないようにする
上でも書いてきたように、かさぶたには出血を抑えたり雑菌の侵入を防いだりする役目があります。ターンオーバーにより新しい皮膚ができてその役目を終えたとき、自然と剥がれ落ちます。かさぶたは非常にデリケートな状態であると言えます。
そのデリケートなかさぶたを指などで触って刺激を与えてしまうと、容易に崩れて再出血したり菌が入って化膿したりします。自分で剥がしたくなる気持ちもわかりますが、全くの逆効果。再びかさぶたができるのを待たねばならず、傷口の完治も遅くなります。
かさぶたは極力触らず放置しておく、また痒みがあってたまらないときは市販されている刺激の少ない痒み止めを使用するか、皮膚科で診てもらって炎症を沈静化して痒みを止める薬をもらいましょう。
刺激が少ないシャンプーを使用する
上述したように洗浄力が強いシャンプーはデリケートなかさぶたにとって刺激が強いことに加えて、頭皮を守るために必要な皮脂までも落としてしまいます。
界面活性剤、シリコン、エタノールや防腐剤などの添加物を使っていない天然由来成分に基づくもの、グリシンやヤシ油脂肪酸などアミノ酸由来の成分で洗浄するものを試されてはいかがでしょうか?
また、洗髪時には頭をよくすすいでシャンプーを完全に洗い落とすことも大切です。
まとめ
頭皮にかさぶたができるのは炎症が原因であること、炎症は皮脂過剰や強いシャンプー、頭の掻きすぎによって起こること、かさぶたを治すには日常生活を見直しターンオーバーを正常化して、触らず、やさしいシャンプーを使用するとよい、ということを述べてきました。あまりにも頭皮のかゆみやかさぶたが激しいときは、自己判断せずに病院で診てもらうことをおすすめします。